活動報告

元気なまちづくり事業について

北海道紋別市(2019年8月7日)

 オホーツク海沿岸の数少ない天然の良港として昔から栄えていた紋別市で、市民と行政の協働によるまちづくりを推進する事業を視察しました。深谷市においても、市民協働事業は必要な施策として数年前から実施しており、何かの参考になればという思いで紋別市へ伺って参りました。
紋別市の面積は830km2と深谷市の約6倍の面積がありますが、人口は22,000人と深谷の1/7と少なく、人口減少の波はどこの市町村も抱えている問題と感じました。
内容的には深谷と同様に

 

 

などで、土地は違えどまちづくりの根幹は変わらないですね。

 紋別市と言えば思い浮かぶのはやはり「流氷」、オホーツク海沿岸へ流れ着く流氷は紋別市以外にも網走と知床で観光資源として活用していますが、紋別市では流氷展望台や流氷砕氷船ガリンコ号は観光名所になっていました。この流氷を街の売りにしていて、これをテーマにした協働事業のアクティビティパーク事業は人気でした。海なし県に住む私たちからすると、海があるというだけで観光資源が一つ増えたようでうらましい反面、冬の間は畑が積雪で機能しないことを想像するといい事ばかりでもないのかもしれません。
もう一つ興味があったのは「三十路式」。成人式から10年後に三十路式というのはユニークな発想だと感じました。調べたところ2014年あたりから全国的に三十路式というのが出てきたようで、ずっと地元にはいるけど接点の無い人や、地元から離れた人たちを一堂に会することでいい化学反応が起こりそうですね、深谷も参考にしたいと感じました。


 どこの市町村も考えている市民と行政との協働事業。深谷と紋別市は土地も環境も違うけど、根幹にある部分は同じで、海という大きな観光資源を有効に活用していた印象が強く、小さな行政体では、住民と行政の結びつきも、深谷に比べると強いようで、担当者と事業実施団体の連携は緊密に図られているようでした。私たちも引き続き市民目線にたった行政運営、議員活動が必要と感じました。

 



ご当地グルメ推進事業 駅前交流プラザ・よろ~なについて(名寄市)

北海道名寄市(8月8日)

 北海道の中でも北部に位置する名寄市の「ご当地グルメ」の推進について視察。名寄市がジンギスカンをご当地グルメにする経緯を聞かせてもらった。
ジンギスカンと言えば羊のラム肉であり、羊の飼育が盛んなのかと思えば、戦前は道内有数の綿羊の産地だったらしいが、今は羊の飼育はしていないとのこと。では、なぜジンギスカン?と疑問に思うが、鉄板で焼くジンギスカンではなく、煮込むタイプのジンギスカンということ。昔から名寄市の各家庭で食べていたラム肉の煮込み料理ということでご当地グルメにしたとのことだった。


当初は市民の間でも

  1. 店で食べるものではなく家庭で食べるもの
  2. おもてなしの料理とは考えていないこと
  3. 羊を飼育している産地ではないこと

 

などから、ご当地グルメとするには低い評価だったようだ。それでも2011年にご当地グルメにすると決めてから、コツコツと地道に普及に取り組んできたことがつながり、今では各種のB級グルメの大会やイベントに参加し、その知名度も少しづつ上がってきているようです。
特に行政の助成を頼るでもなく、自分たちのイベント収入やロイヤリティー収入だけで活動していることに脱帽。

 この説明を伺った駅前交流プラザは、駅前とバスの発着所という立地の良さからか多くの人で賑わっていました。まだ比較的新しい建物を、指定管理で運営しており、特に通路に置いてある机と椅子には、高校生が勉強している姿が何人も見受けられ、より一層賑わいを創出している感じがありました。2階の掲示スペースには、市内のお店のワンポイントチラシがたくさん張り出されていて、これを見ているだけでも飽きずに楽しめるようになっていました。

 

 ご当地グルメの推進については、深谷でも「カレー焼きそば」をB級グルメとして普及させようとしている状況は似たような事業であることを感じた。やはり、コツコツと地道に普及に取り組んでいくことの大切さを痛感。新しいグルメであろうが、昔から市民に親しまれているグルメであろうが、その普及のためには、長い年月をかけ、地道に取り組んでいくことが大事なのではないか。深谷の公民館でももっとオープンに子供たちが気軽に利用できる環境を整えたいと感じた視察だった。




観光産業事業について(旭川市)

北海道旭川市(8月9日)

 北海道の中央に位置し、道内では、札幌に次ぐ人口規模を誇る旭川市の観光事業について視察。旭川といえばやはり旭山動物園が有名で、外国からの観光客も多く、市を挙げて観光振興に取り組んでいる。旭川観光基本方針は、観光客を受け入れる地域の事業者の目線を統一するために策定したものとの説明。確かにすべての事業者が、観光客ウェルカムの思いは持っていないようで(特に外国人観光客に対して)、なかなか目線を統一するのは難しいのではという感触を持ちました。


 観光資源としては、大雪山国立公園、冬のパウダースノー、旭山動物園など持ち、旭川空港を利用しての観光客の受け入れができるなど環境が整っていることに加え、星野リゾートが「旭川をスキー都市にする」という方針を出したことも大きな追い風と感じました。
やはり国際空港があって、外国からの直行便があることは、インバウンドツーリズムにとっては大きなメリットであり、羨ましいかぎり。受け入れ態勢の整備(英語表記が少ないと言われている)やすべての事業者が訪日観光客ウェルカムの意識を持てるようになれば、更なる発展が期待できそうです。

 

 今後、深谷市においても「観光」面にさらに力を入れていく必要があるなと考えさせられる視察でした。今一番の追い風である渋沢栄一翁関連や幡羅官衙遺跡群、また、特に花園インター周辺拠点の整備が終わり、外国人観光客も多数訪れるようになれば、インバウンド政策にも積極的に取り組んでいく必要があります。今回、旭川の観光事情を視察させていただき、やはり訪日外国人は我々にはなかなか想像もできないような要望をもっているのかと痛感した。
今後の深谷市の事業展開にもこれらを見据えた上で早急考えていく必要があります。